京唐紙屏風を合わせたおひな様 1
前回京唐紙の紹介をしたので、今回は京唐紙屏風と合わせたおひな様のセットを紹介致します。
今回は平飾りのみで、間口45cmと52cmの二種類のラインナップをご用意しました。
屏風にこだわったので、それに合わせてお人形の衣裳もお道具もグレードの高いものを合わせました。あまりお人形には使われない珍しい衣裳も取り入れました。
間口45cmの小さい方のつぼつぼ柄の屏風は、落ち着いた会津塗で朱色に仕上げた飾台と合わせました。おひな様は屏風のインパクトに負けない鮮やかな色の衣裳を着せ付けました。この生地は人が着るお着物の帯用にデザインされているものを、あえて小さいお人形に使っています。その為、着物の柄全体は分かりにくいのですが、帯地ならではの繊細な色の出方をお楽しみいただけます。鮮やかな黄色の中に繊細な紫、溶け込むように馴染んだ緑や青の色味がご覧いただけます。
前のブログでも紹介しましたが、裁断してしまう前はこんな帯でした。目を引く美しい帯ですよね。お道具もこのおひな様に合わせて金箔を使用した贅沢な物を用意しました。
間口が52cm少し大きめのつぼつぼ柄の屏風には、黒に朱色を重ねたシンプルながら綺麗な色の組み合わせを楽しめる会津塗の飾台を合わせました。殿の衣裳は拡大して見ていただくと、紫色と緑が混じったような色に見えているのでは思います。実は殿衣裳は一般家庭の蛍光灯の下で見ると落ち着いた深い緑色なのですが、殿の衣裳が麹塵(きくじん)という特別な染め方をした生地なので、光の当たり方で色が変化するのです。
古来は天皇のみが着ることの出来る「禁色」でした。他の染物では考えられないほどの種類の染料を使い、とても手間がかかる工程を経て染められるそうです。職人の方の努力の末、照らされる光の違いで、深い緑から赤紫まで色を変える不思議な反物が誕生します。緑の生地が明るい昼の太陽に照らされて赤く輝く様子は本当に綺麗です。(おひな様は直射日光厳禁ですが)
姫は殿と合わせた格調高い着物にしました。平安以降公家階級が身につけた有職文様の一つ、菊は不老長寿を表すめでたいしるしとして好まれてきました。殿姫ともに晴れのお祝いの席にピッタリの衣裳を着たセットになりました。
日本には職人さんが手間暇を惜しまずに作った素敵なものがたくさんあります。雛人形も沢山の職人さんが関わることによって出来ています。着物の生地を織ってくれる織工さんや、お人形の頭を作ってくれる頭師さん、雛小道具や飾台を作ってくれる職人さん。誰が欠けても素敵な雛人形を作ることが出来ません。
「ことり」では雛人形の飾台や屏風に会津若松の伝統工芸品である会津塗で仕上げていますが、他にも取り入れていきたい工芸品が沢山あります。そのうちの一つが京からかみです。
時々目にする京唐紙が素敵で、旅館やホテルなどさり気なく使われているのを見るたびに、おひな様の屏風にしたら素敵だろうなと思っていました。今までは製作の過程で難しい部分があって断念していたのですが、解決策が見つかり今年は素敵な屏風を作ることが出来ました。
京唐紙は簡単に言うと版画のような製造工程で作られています
1:木製の版木を作る
2:顔料や鉱石、布海苔などを混ぜて好みの絵の具を作る
3:篩(ふるい)と呼ばれる丸い枠に布を張ったものに絵の具を塗る
4:3を版木に何度か軽く押し当て色を乗せる
5:紙を版木に押し当て、均等に絵柄が紙に写ったら乾かして完成
オリジナル屏風製作の打ち合わせの写真を撮ってくるのを忘れてしまい、準備の様子をお伝え出来ないのですが、色々教えて頂きとても勉強になりました。色とりどりの和紙に無数にある摺り色、そして文様。どの組み合わせにするかかなり難しかったのですが、アドバイスをいただき全くタイプの違うもの三種類を用意することが出来ました。
紗綾・・・武家好みと言われる文様の一つ。格調の高さを表現した幾何学文様
枝桜・・・町家好みと言われる文様の一つ。柔らかい曲線の中にたくましく生きる心意気を表現
つぼつぼ・・・茶方好みと言われる文様の一つ。“わび”という美の感覚を追求した洗練されたデザイン。通常一色で摺るのですが、今回は二色にしてもらいポップに仕上げました。
次回は京唐紙を使ったおひな様のセットを紹介したいと思います。
去年からスタートしたばかりの「ことり」ですが、色々なお客様と御縁をいただきまして誠にありがとうございました。ドキドキしながらのオープンだったため、とても嬉しかったのを覚えています。そんな中、お問い合わせ頂いたのに準備がなく、ご案内できずに残念に思っていた事があります。それは小さくて可愛い衣装着の「立雛」。確かにあまりないですよね。大きい衣装着の立雛や、小さい木目込の立雛は色々なところで見ることが出来ます。だから今年はご要望にお答えして作りました!
小さくてスペースもとらず、飾付も片付けも簡単な可愛らしいお顔の立雛です。ホームページでの販売は12月上旬になりますが、一部だけ先にご紹介いたします。
丸くて可愛い子供顔の立雛です。小さくて愛らしいおひな様に合わせて飾台も可愛い形にしました。飾台は会津と並ぶ漆器の名産地である石川県の山中塗で仕上げました。リバーシブルになっていて、明るい表面と落ち着いた暗い色の石目塗の裏面のお好きな方で飾っていただけます。桜型の台はピンクとホワイトの二種類を用意しました。少しパール感があり、色の中にゆらぎを感じるような質感。梅型のものは伝統的な艶のある落ち着いた朱色です。
収納タイプもございますのでホームページがオープンした際には是非商品ページをご覧ください。
今年の新作おひな様とホームページ新装オープンのご案内
関東ではそろそろ本格的な寒さとなってきました。節句人形を扱う弊社としては寒さが増すごとにおひな様のシーズン到来の様に感じます。早く皆様に新作のおひな様をご案内しなくてはと思いつつ、少し準備が遅れておりました。ようやく準備が出来ましたので、「ことり」の新作おひな様の一部をご案内いたします。
今年のおひな様は去年と比べ更に素材にこだわりました。「ことり」のおひな様は衣装着のお人形としては小さいので比較的小さめの柄の着物の生地を選んでいましたが、今年は今までのような金襴だけではなくもっと自由に素敵だなと感じた帯なども仕入れておひな様の着物を仕立てました。一本の帯からは少しのおひな様しか作れないので、数量は限定になりますが是非商品ページもご覧ください。
今回紹介したおひな様以外にも新作が沢山ございますので、今後少しずつご案内していきます。
5月6日以降の営業日について
5月6日以降の営業日をお知らせ致します。
5月6日(土)〜14日(日):お休み、メールでのお問い合わせのみ受け付けておりますが、お返事までお時間を頂く場合がございます。
5月15日(月)以降:営業日が変更になります。土日祝日がお休みとなりますが、営業時間に変更はございません。
新暦の地域の方は初節句のお祝いも終わり、そろそろおひな様を片付けなくてはいけないなと思う頃ではないでしょうか。
雛人形を早くしまわなくてはお嫁に行くのも遅れるなんて言われているので気になりますよね。
本当に結婚が遅くなるかと言われると、そんな事はありません。
やるべきことをきちんと出来るように、情操教育の一環の言い伝えのようです。
素敵なお嫁さん、またはお母さんになれるように雛人形の片付けのような面倒だと感じる事でも、必要に応じて出来るようになるための教訓なのでしょう。
目安としては二十四節気の一つ「啓蟄」に片付けるというものがあります。
3月3日のひな祭りの後すぐ来る節目なので丁度良かったのでしょう。
2017年の啓蟄は3月5日。今日なのです。ただ必ずと言うわけではないのでこれもあまり気にしなくても大丈夫。
何が一番大事なのかというと「天気」です。
おひな様は湿気に弱いので、雨の降る日に湿気と一緒におひな様をしまってしまうと
翌年、お人形や屏風などにカビやシミが出てきたり、変色の原因になってしまったり。最悪の場合、虫にくわれてしまうなんて事も。
毎年綺麗なままのおひな様と一緒に節句のお祝いをしたいものです。
なので、晴れが続いて気持ちのよい日におひな様を片付けるのが良いでしょう。
丁寧にホコリを掃い、お道具や飾台を乾拭けば完璧です。
心配なら防虫剤と除湿剤も一緒に入れておくと、翌年まで綺麗に保存が出来ます。
昨日は3月3日、ひな祭りでしたね。
スーパーマーケットには大きなハマグリやちらし寿司用の食材、
ひなあられやお祝い用ケーキなどお祝いムード一色。
この週末に初節句のお祝いをするご家族もいらっしゃると思いますが
おひな様と一緒にお楽しみください。
新暦のひな祭りは過ぎでしまいましたが、旧暦でお祝いされる地域の方は
楽しみはもう少し先になりますね。
月遅れとして4月3日にお祝いしたりもするようですが、2017年の旧暦3月3日
上巳の節句は新暦の3月30日大安になるそうです。
その時期になると桃や桜開花の便りも届く頃。
桃の花もお部屋に飾り付けた中で初節句のお祝いをするのも素敵ですね。
旧暦でお祝いする地域では雛人形をお彼岸明けから飾ることが多いようです。
今年の彼岸入りは3月17日、彼岸明けは3月23日です。
お彼岸明けだと短い期間しか雛人形を飾れない!っと残念に思う方は
お彼岸の時期を避けて、早めに雛人形を飾ってしまうのも一案です。
地域ごとに慣わしがあると思いますので、ご親戚などに聞いてみてください。
「ことり」のホームページではまだ雛人形を販売しています。
完売してしまったおひな様の今年の再販はありませんが、
まだ素敵な雛人形もありますのでご覧ください。
取扱店舗ではおひな様の取扱は終了となっておりますのでご了承ください。
現在は五月人形の展示、販売中です。
「ことり」の五月人形が販売開始
「ことり」の五月人形の販売が販売開始になりました。
伝統を大切に本格的な作りながら、現在の環境に合わせた気軽に飾っていただける兜収納飾りを取り揃えました。
雀シリーズは飾り幅30cm奥行23.5cmとサイドボードや玄関の靴箱の上など、
ちょっとしたスペースにも飾っていただける超コンパクトサイズです。
鷹シリーズは飾り幅40cm奥行29cmともう少し大きく堂々とした兜飾りがご希望の方向けです。
ホームページをご覧になってわからない事がある方は、是非お問い合わせフォームや電話にてお問い合わせください。
一生に一度の大切な兜飾りですので、出来る限り丁寧に兜の説明などさせていただきます。
お問い合わせフォームはこちら
電話でのお問合わせ:フリーダイヤル 0120-303-773
「ことり」の五月人形が間もなくお披露目
「ことり」の五月人形の販売が間もなく開始になります。今年はインターネット販売の初年度と言うこともあり、実店舗で人気のあった収納飾りを取り揃えました。全て今年の新作です。サイズは2種類。幅が30 cmの雀シリーズと、40cmの鷹シリーズです。
雀シリーズの飾りサイズは幅30cmx奥行23.5cmx高さ36cmととてもコンパクトで飾る場所を選びません。とても軽いので毎年の飾付や片付けもとても楽です。
鷹シリーズの飾りサイズは幅40cmx奥行29cmx高さ51cmと雀シリーズに比べると大きくなりますが、一般的な兜飾りと比較するとこちらもコンパクトで場所を取らずに飾っていただけます。片付ける時には飾台の中に全てしまえて便利です。
小さいですが兜の作りにもこだわりました。鉢の部分は矧ぎ合わせ鉢という短冊状の金属の板を継ぎ合わせ、鋲で留めて仕上げています。縅も絹糸や革など異なる素材を使っているので、お好みに合わせて選んでいただけます。
飾台は会津塗で仕上げ、縁起の良い蒔絵を施しました。お部屋の雰囲気やインテリアに合わせてお好きな色合いをお選びいただけます。
もうすぐ五月人形の販売ページがオープンいたしますので、是非ご覧ください。