ことりのお人形
お人形の衣裳には歴史ある京都西陣織金襴を使用しております。
元来、人が着る着物用の金襴は柄が大きく人形用に仕立てるには向きませんが、工房ことりでは人形用に仕立てても魅力が失われない生地を探し仕入れております。
さらに大柄な帯地などを人形用の着物に仕立てることによって、多様なデザインのお人形を取り揃え、お客様のお好みに寄り添えるよう努力しています。
生地はデザイン性はもちろんですが、文様にもこだわりました。
古来より受け継がれてきた伝統文様には、繁栄や長寿、円満や立身出世などの願いが込められているものが多くあります。
当店ではこれらの伝統にもこだわりお雛様を制作しております。
個別の商品ページにて紹介しておりますので、お選び頂く際の参考にして頂けましたら幸いです。
また、お人形の手も最近では樹脂製で型抜きの手が多いのですが、当店では一刀彫りで木材から削り出した「木手」を使用しております。
職人が一つ一つ手彫りした「木手」だからこそ表現できる繊細で美しい指先が、工房ことりのお人形をいっそう引き立てます。
ことりの飾り台と屏風
大切に仕上げたおひな様に合わせる飾台と屏風にもこだわりました。
おひな様をずっと美しく飾っていただくために・・・飾台も美しく、丈夫で、安全に・・・
そんな審美性と実用性を兼ね備えているのが、日本人が昔から愛してきた漆器でした。
漆を使った漆器の技術は日本発祥(※1)の伝統技術で、現在でも様々な場面で出会います。
漆の艶や質感の美しさから装飾として使われているのはもちろん、木製品の表面を保護し長持ちをさせるためにも使われています。
身近なところでは食器です。自然素材で口に入れても安心、口当たりや肌触りもとても優しい。
お子様の成長をずっと見守るお人形と共に飾って頂くものとして最適な素材と言えます。
「工房ことり」の飾台と屏風の製作をお願いしている工房は会津若松市にあります。
その土地の漆器製造の歴史はなんと16世紀から。
長い歴史の中で伝統技術だけでなく、新しい技術と素材を取り入れて常に新しいタイプの漆器を製造されています。
古くからの黒漆や赤漆(朱)をはじめ、最近では明るいパステル調のお色もありますので、幅広い色味とデザインで「ことり」のお人形を華やかに演出してくれます。
漆器の魅力と切り離せないのが蒔絵です。「ことり」では飾台と屏風に施す蒔絵にもこだわりました。
鏡面のような美しい艶を放つ漆器の表面には、金・銀やその他多彩な色で吉祥文様の蒔絵を施し、お子様の幸せを願う思いを込めました。
なんとなく見落としがちな絵柄一つ一つに意味があります。
個別の商品ページにて僅かばかり紹介させていただいております。飾って頂く際にお人形と共に是非お楽しみください。
会津塗以外にも木目の美しい天然の秋田杉の飾台や、京都の伝統技法を使った美しい京唐紙の屏風もご用意しています。
樹齢60年以上の天然秋田杉にガラス塗料をしみこませることにより、耐久性に優れた仕上げになっております。
杉の表面の質感を損なわずに、しっとりとした風合いに仕上がっています。
黒い秋田杉の飾台は、柿渋染めによるものです。会津塗などとは違い地の色や木目が透けて見える素朴な質感です。
この天然秋田杉は適切な伐採、植林を行い、健全な森林の育成とともに住みやすい環境づくりにも配慮されています。
京唐紙は手彫りの版木を使い、一枚ずつ全て手作業で古来伝統の手法で制作されています。
工房ことり独自の色の組み合わせでオリジナルの京唐紙を、京都にて製作して頂いております。
※1 中国伝来など諸説ありますが、
現在は福井県で出土した12600年前の物が最古のようです。